心が軽やかに

竹内栖鳳展鑑賞してきました*
先ずは嬉しかった事
小田原では 朝、まだ台風の影響で雨脚が強かったこの日、関西に近づくにつれ 晴れ間もでてきました。京都駅案内所で 一応行き方を確認。

この案内所で 財布をなくされた外国人がいらして 漏れ聞いたお話では どうやらその財布は 岡山駅で なくされ 届けられていたらしく中味の確認を 係の人に電話で確かめてもらっていました。「お金はなくなっていても仕方ないし 諦めてもいるけれど クレジットカードがあるかどうかだけ 早く知りたいの〜!」と、かなり焦っておられました。

そうしたら 『クレジットカードも 日本円もドルも(金額も確認されていました)入っていますよ」との連絡に その方の顔がぱっと晴れやかな喜びにかわり お金も大丈夫だったなんて・・・っと 本当に驚かれ とても感激されていました。落とされたお財布だったと推察しますが ちゃんと届けて下さった方がいて 私も嬉しくなりました。

外国では 落とした物は勿論 落とさなくても 持って行かれるケースを(すり)よく耳にします。私も被害にあったことが・・・

「ね!これが日本なのよ!」っと 言いそうになってしまいました。だんだん外国人の観光客も増加しているそうですが 本当の意味での良い日本を体験してもらいたいですね。

美術館へ向かって 歩いていると また嬉しい出来事がありました。思いがけず 私の好きな志村ふくみさんの作品展示に遭遇しました。自然素材に宿る魂を糸に染めて 匂い立つ生命の輝きを放つ織物を 仕立て上げられた着物は 遠目に見ても 何か訴えるような息吹を感じました。

過日、横山大観展を 横浜にて鑑賞したので 東の大観、西の栖鳳といわれるごとく 双方鑑賞出来る機会に恵まれ、何とラッキーな!

栖鳳は 他派の筆法からも学び、自分の作風に取りいれ 展示作品からも その変遷が伺えます。日本画の良さを大切にしつつも 古い習慣を打破、積極的に西洋の写実的描写も 作風に活かしてゆくあたり 栖鳳の向学心、しなやかさを感じます。

有名な『班猫』の絵は 後期展示となるそうで 観ることは出来ませんでしたが パリ万博に渡欧し、西洋の筆致から刺激を受けたとされる ライオンの絵「大獅子図」は 鑑賞できました。輪郭線と朦朧とした筆使いを混在させた迫力あるこの絵は 描こうとする対象物の本質を捕らえているからこそ まるで体温を感じるかのような生々しさがあるのでしょうか。

近代日本画の礎を築いた画家と言われる栖鳳、機会があれば後期展示も行ったみたいな!ゆっくりと美術館、志村ふくみさんの展示で時を過ごし 先述の嬉しい出来事にも遭遇し、満ち足りた一日でした。

備忘録 西洋の空気は濃いから遠近法、日本の澄んだ空気では 色の濃淡で遠近が表現できる
    動物好きな栖鳳は ウサギと猿を実際に飼って、習性を日々観察。
    外見だけスケッチしたのでは 本質は描けない。