アシュケナージ

            

汗ばむような好陽気。  久しぶりに 時間を独り占めにして マイペースで過ごせる貴重な日。  季節の洋服に入れ替えや片づけがゆっくりとできる。  息子が贈ってくれた アシュケナージ演奏のバッハ作曲、The Well-Tempered Clavier、音楽を聴きながら。


バッハの平均率と言えば 若い音楽家達のバイブルのようなもの。  もっとも、well-tempered と言えば よく調律されたということなので 平均率というのはおかしいと言う説もあるのですが…  


それにしても アシュケナージは 若かりし頃、ショパンコンクールで 超快速演奏のエチュードで 人々を圧倒し 絶賛されたにもかかわらず おしくも2位。  この結果に納得できないと 審査結果にサインをしなかった 審査員がいたと言うお話は有名です。 確かポーランドのピアニストが一位で 政治的背景が影響したのだともいわれていますが…


アシュケナージは 幅広いレパートリーをこなし 指揮者としても有名ですが モーツアルトのピアノ、コンチェルト23番27番CDは まさに[弾き振り]で ピアニストと指揮者の二役を演じています。  23番2楽章は 確かモーツアルトが母親の死に遭遇して作曲したと聞きました。  アシュケナージのピアノ、その想いが 霧深き森からぐーっとせまってくるような音色で深い悲しみが漂っています。


今、このブログを書きながら 矢張りアシュケナージのピアノ、ショパンノクターンをかけています。  しばらく 聴いていなかったアシュケナージですが Kのプレゼントを皮切りに 今日はたっぷり芸術の秋を満喫。  眠っていたCDも 喜んでいます。  因みに 平均率のピアノ、 お勧めだけあって素晴らしいです。 元気が出ます。  


年齢と共に昔の鋭敏さよりも まろやかな弾き方になったかな?  私の好きなアンドラーシュ、シフも平均率を弾いているので 今度買ってみようかなと思います。  もう、 ほこりをかぶっているピアノ、 指も動かないけど 又触ってみようかなあ〜! 


その昔、夫はアメリカからの来客を京都観光案内の際、 金閣寺で 若いアメリカ人に遭遇。 何となくお互いに話す事になり その若い人、「アシュケナージ」と名乗られたそうです。 職業の話になって 「ピアノを弾いている」と言われ 大胆にも 「有名なんですか?」と聞いたら にっこり I think so!  あ〜ぁ、私がお会いしたかったです!