Bernard Buffet


この所、本格的な入梅までに 行っておきたいところは 行っておこうという意気込みで 積極的に行動している。  先日、Nさんに勧められた 三島にあるベルナール、ビュフェ美術館に行ってきた。  なるほど世界で唯一の ビュフェ美術館と名売っているだけあって 初期から晩年までの2000点近い ベルナールのコレクション。  生存中にその画才を認められ 画家としては恵まれた生活を送ったようです。


初期の作品は 第二次大戦後の荒涼とした不安感を モノトーンで具象化。  鋭く、硬質な漆黒の 独特な輪郭線は 冷え切った心の様子を 観る側にも 感じさせられてしまう。  「時代の証人画家」と 賞賛され一躍有名になったのもこの時期です。 新しい試みも取り入れながら  独自の画風を貫き通した作品が 時代を追って展示されており 心の変遷も見えてくるような展示。  


中でも大きく変化を遂げたのは アナベルという女性(後結婚)に出会ってから モノクロで鋭く 縦長の作風に 彩が加わり、 絵筆のタッチも生命の息吹が感じられ 興味深く鑑賞。  独特な彼の作風から受けた印象とは程遠い ハンサムで素敵な ベルナールの写真も 展示されており 新鮮な印象を受けてきました。  


叉、美術館の建物も 中央にスロープを 降りてきつつ もう一度 展示作品を楽しめる配慮がしてあり 落ち着いた空間での 素晴らしい鑑賞で お勧めです。  大人の洗練された時間とでもいえるでしょうか。


ベルナールの印象的なことばを引用すると [素直な愛情を持って 絵と対話して欲しい。  絵画はそれについて話すものではなく ただ感じ取るものである...」


叉、同じ敷地内の クレマチスの丘には クレマチスを主体に様々な花が 広々とした芝生の周りに植えられていて見事です。 富士山麓の 豊かな自然に育まれた 四季折々の花、 野鳥のさえずりを楽しめそうなので 叉違った表情の庭園も観たいものです。