偽りの作曲者

佐村河内守氏、18年間に渡る 数々の作曲が 実際は 他の人の作品であったという事実が判明し 物議を醸し出している。私自身も NHKの「魂の旋律」という番組をみて HIROSHIMA と言う曲を 通して聴いてみたいと思い、CDを購入している。

曲そのものは 番組内で紹介されたさわりを聴いただけだったので 音楽そのものよりも どちらかと言えば 佐村河内氏のストーリーそのものが CD購入の動機付けだったので 事実が判明して 唖然としている。

音楽そのものについては 放映中、不穏な感情表現には 伝統的に「音楽の悪魔」と呼ばれ、避ける傾向にあった三全音(トリトヌス)が 効果的に使われていること また闇の中の一筋の光から 希望を膨らませ 再生を示唆する音調には 音程が十字架の形をとっているなどの説明があり この環境下だからこそ・・・・と、変に納得した自分である。

下降音で 深い苦悩の存在を暗示しつつも 上昇音は 一抹の光を見いだした喜びが 勇気へと導かれていくエンディングで 東日本大震災の被災者の方々に訴える物があったという。音楽そのものは 変わらないのだが 仮面をかぶった音楽に戸惑いを感じる。

この時期に 作曲を請け負ってきた新垣氏が公表することになったのは ソチオリンピックで高橋選手がショートプログラムで「バイオリンの為のソナチネ」を使用することになっており、高橋選手にも迷惑がかかることを懸念してとのこと。

高橋選手が この曲を使用しなければ この事実の判明は もっと遅れたのであろう。新垣氏は ある少女のためにこの曲を 純粋な気持ちで作曲されたようである。高橋選手は その曲、そのものに 感銘を受けたそうなので 堂々と演じて欲しい。