Serendipity

私にとっての珍宝
急遽、実家の明け渡しが決まったとのこと。  義妹の方の屋根裏部屋にまだ荷物があり、 義妹一人では判断つきにくいと言うので、連休に手伝いがてら帰阪。 わぁ〜!まだこんなに?


「もう見なかったことにして このまま処分しましようか?」と話しつつも 一応 開かずの箱を開けてみると 私が生まれる前に他界した父方の祖父短冊が 桐の箱の中にたくさん納められていました。  毎年の勅題、(昭和7年から10年間ぐらい)歌会始めに出展していたのでしょうか?  


父は寡黙な人で 余り自分の家族について話したことがなかったので もう少し聞いておけば良かったと思ったことがあります。  今回、私の手元に届いた沢山の詠まれた歌から そっと自分のルーツの扉が開かれた気がします。 


父は何度か海外駐在を体験していますが 青年時代の最初の赴任地は泰国のバンコック。 祖父の時代を表わす 太平洋、旭、大東亜などの言葉が入った固い歌の合間に 優しい、わかりやすい歌を見つけました。  


父の外地赴任に際して詠んだ句です。  はまさに日本の象徴。  頑張れよっと、エールを送る親心に熱いものがこみ上げます。  常夏の国で 菊の花を咲かせるだけでなく香りを放ち 自己の存在をアピールして 父は頑張っただろうと思います。


また、母の娘時代の書道も何点かでてきました。  達筆です。  読めません。  私は今まで見る機会が無かったので 今回の帰阪は まさしく、これらのお金では買えない大切な出会いをさせてもらえるように 母が呼んでくれたように思えます。  昨日は これら諸々の心の財産になるような出会いと対話しながら嬉しくもあり 切ない思いもあり 自分自身がここに在るご縁の不思議に感動を味わいました。  

マッスル君が 「お母さんの書、表装しなおして掛け軸にしよう」と、言ってくれました。  祖父の短冊も 一つ二つ部屋に飾りましょう。  命のつながりを感じるってこんな気持ちかもしれません。  


時間的余裕も無く、慌しく持ち帰ってきましたが ゆっくり読みながら、万感の思いがこみあげ ちょっと感傷的になってしまいました。  知らないで 一括処分をお願いしなくて良かったと安堵しています。 限られた時間内で 思いっきり働いた後の筋肉痛、 久しぶりです。  新幹線に漸く間に合い その後は目的地まで眠りこけていました。  これで本当に The End です。