サロンコンサート

梅雨らしからぬ天候。  しかし、本日は涼風が流れるごとし 凌ぎやすい七月初日。  久しぶりのサロンコンサート。  友の企画はいつも本当に贅沢なプログラム。  


若手の音楽家が大きなコンサートの前に 同じプログラムでアットホームな雰囲気で演奏してくださる。  友の人脈の豊かさの恩恵にあずかって 生の音楽をいつも同じ目線で楽しませていただき(ステージではなく) 私の生活に心の豊かさのページが加わった。


本日の演奏家は、シューベルトが大好きとおっしゃる大原亜子さん。  「ベートーベンを弾くときは写真をあがめて弾くのですが シューベルトを弾く時はそんな必要はありません。  私のここにシューベルトがいるからです。」っと 心を手でしっかりと押さえられました。  


ご主人は以前のブログでもご紹介させていただいたピアニストの矢澤一彦氏。  御夫妻とも一見「良質は深く蔵して虚しきがごとし」 非常に純粋で謙虚なお人柄とみうけますが 一度ピアノの前に座られると 卓越したテクニック、深い英知、情熱がほとばしりでます。


感銘を受ける音楽家の演奏に 私の独断ですが 聴衆を巻き込んでしまう人、 またこの大原さんのように 完全にその作曲者との世界に入り込んで 私からは全く別の次元の遊離状態で無心に音を奏でる演奏家がおられます。  演奏しながら作曲者と対話しておられるようです。  


前者からは 心地好さを 後者からは 神秘的な世界の広がりを感じ もっと、もっと聴いていたいような気がしてきます。  演奏曲さすらい人幻想曲では シューベルトの心の旅を音と映像で見ている気がしました。


途中、指がつって演奏中断がありました。  冷房のせいでしょうか、 それとも過度の練習からでしょうか?  いずれにしても これからお障り無きことを祈ります。  


お湯で温められて 「治りました〜」っと 満面の笑顔で明るく入ってこられてからの演奏。  それは一段と素晴らしい。  一瞬と言え不安を感じられた後の演奏。  この方が 如何に音楽を愛されているかの感情が炸裂したかのような感動的な演奏でした。


サロンコンサートは 演奏後のお話も楽しみです。  ご夫妻での練習の事、 シューベルトの対する思い入れなど 大きなホールでは聴けないお話です。  小柄な本当に可愛い方ですが 腕の筋肉がどれほどの練習を重ねられているのか物語っています。  


今後ともご夫妻でのご活躍お祈りしています。  数多いコンサート活動をされているので 又聴かせていただきたく思います。  ご夫妻のホームページをみつけました。