川のささやき

帰阪中、連日、スケジュール満載でしたが 夜には妹宅でゆっくり本を読む時間がもてました。 過日、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人初の優勝という快挙を成し遂げられた辻井伸行さんの本2冊、DVDも妹宅にあったのでお茶の間コンサートを楽しませてもらいました。

本はお母様の書かれたここに至るまでのお話。 一気に読めるのですが その行間から読み取れる内容の深さや努力は まさに心頭滅却力。 伸行さんが素晴らしい才能を持ち合わせていることに いち早くお母さんは気づき、共にチャンスに挑んでゆき、一つ一つの機を逸しない判断力、行動力が 素晴らしい人脈の輪を広げ 可能性を実現してゆく様子を垣間見る事が出来ます。

演奏の様子は 本当にリラックスして自分の世界に入っておられるようです。 身体を揺らしている時は 気分がよくのっている時、だから敢えて注意しないと本に書かれていました。 多くの人が 盲目だからということではなく、伸行さんの人間としての資質を最大限発揮できるように率先して協力をされています。その方たちも叉学ばれている事が多いのでしょう。

まだ、21歳とお若い。 これから色々と経験を積み更に円熟度が増し 今以上に、これから歩まれようとする人生の素晴らしい栄養素が音色や曲の解釈に加味され 益々ご活躍される事と思います。 私は、アンコールに弾かれた 自作の川のささやきに特に感銘を受けました。 昔、登山したときの沢のせせらぎ、緩やかな流れも、急流も、岩にこつこつ当たりながら、なおも流れる水のせせらぎの映像が浮かぶような素晴らしい感性豊かな作曲です。 下のサイトで聴く事が出来ます。是非、お聴きくださいね。
http://www.youtube.com/watch?v=yBcGAt3pSNY&feature=related

若い人達のこのような明るいニュースは 本当に嬉しいですね。
上の2冊の本をもらってきた代わりに、1Q84の1巻を置いてきました。その後、2巻も読み終えましたが 正直、販売当初のあの騒ぎは?マーケティング戦術のような気がしないでもありません。 

色々な要素が だんだんマグネットにひきつけられるかのように渦に巻き込まれながら絡み合い関連してくるのですが ファンタジー、宗教的な儀式、純愛・・・ちょっと理解するのが難しい部分が沢山。子供時代の家庭環境が心の中で冷たく存在していて 覚醒してくるあたり 登場人物に共通していますが 10歳の頃の淡い気持ちが2人の主人公を心理的につなぐ糸。 これは、もしかしたら続編がでるのかな?