ハーバード白熱日本史教室

レディ・サムライ
オリンピック放送、待ち時間の合間に読みました。数日前、
「私達がよく行くバンクーバーのブリティシュ コロンビア大学で数学と生命科学を専攻、大学院ではアジア研究、その後プリンストン大学で博士号取得と輝かしい学歴。理系から史学へ替わられた 興味深いいきさつを 毎日新聞の書評で読んで 是非読んでみたいと 即オーダー。

ハーバード大学で教鞭を取はじめた2009年度は 受講者16人、翌年度104人、今年の春は251人とうなぎのぼり。学生が選ぶ 思い出に残る教授の1人に選ばれていたり、他にも賞を・・・学生達の心を引きつける授業、読むのが楽しみです。」と、書いたその本です。

日本史専門の教授の資料整理を手伝ったことがきっかけで 大学院では日本史を専攻。ハーバード大学でのサマースクール「ザ・サムライ」を受講して 登場する人物がサムライばかり、男性しか描かれていない日本史に 強い違和感を抱きます。表舞台にたたないけれど 強い影響力を持った女性 レディサムライについての研究に着手し、アメリカのプリンストン大学院で博士号を修得。

その後、29歳の若さでハーバード大学で教壇にたち 講座内容にチャレンジングな工夫をこらし 新鮮な風を送りつつ 受講者参加型の立体的な講座で 学生達の心をつかんでいきます。

著者はピアノが趣味で バッハのインベンションを弾きながら 主題が右手、左手と織りなしていくところから 日本の歴史に於いても男性一辺倒ではなく 女性の活躍も織り込んでいかなければ 本当の日本の変遷を理解してもらえないと確信したそうです。

この趣味の音楽もBGMとして活用したり 学生達にただ学ぶだけでなく、実際にビデオ作成、放送番組を体験させたりと 一方通行の講座に固守せず 柔軟な思考で次々前向きに対処していくところ、常に進化を目指す著者の意気込みを感じられます。苦労も多々あったと察しますが 目的意識が明確で本全体を通して明るい空気が流れています。

歴史上の女性の役割をどう見るかなどは 主観的なこだわりもあると思いますが 学生の気質をよく理解し、どのようにすれば楽しく学べるか 知識が身につくかなどは 歴史だけでなく コミュニケーションの上でも学べるところが沢山あります。多くの学生に,日本について興味を抱かせたという点でも素晴らしいことだと思います。

個人的なことですが 妹もアメリカの大学で長年教鞭をとっていましたし、息子も博士課程履修中、クラスを任されていたり、卒業後もセミナーなど依頼されることがあり ティーチングアワードのことなど 何かとてもファミリアーな言葉で感動しました。


10年程前のアラスカクルーズで写した画像。少しは涼しくなるでしょうか?