報徳博物館にて

中国の葬儀文化と死生観
雨の降る日曜日、報徳博物館に講演を聴きに行ってきました。時々参加させていただいている会ですが 交換留学生のかた達が 丁寧な資料を用意し、流暢な日本語で講演、更に質疑応答と内容の濃い講座が毎月のように報徳博物館にて開催されています。
多民族で構成されている中国、民族によって葬儀文化も異なるけれど 主に漢民族に焦点をあててのお話でした。漢民族は、四海為家(しかいいか、出典史記という四字熟語に表されるように 定住というよりは移動する民族。しかし、死後は故郷に帰省することを欲する。

訃報に接して、多くの慟哭する中国人をみて 驚くことがあるが これは立派な葬儀文化の一つらしい。五哭(ごこく)と言って 泣くことが大切で 5回声を上げてしかも大声で泣くのだそう。先ず、大声で泣くことによって 近隣の人々に知らせ、その後2日間にわたって 朝夕2回、計5回泣くしきたり。今では、お金を払って泣く人を雇ったり、お墓参りしてくれる人を雇ったりもありと 一寸日本人の感覚では解せない面もある。

死後の生活は、現世よりも長いので 困らないようにと 紙屋敷、紙で作られた車、偽紙幣から 今日では iPhone、カメラ、ルイヴィトンの鞄や財布(上画像)も 墓地の一角に故人のために供え、後、燃やすのだそう。信じられないけれど本当のお話。日本との共通点は 故人の好物をお供えするとか 魂を沈めるような音楽とかありました。

死生観としては *知性観、論語の言葉、『死生在命』『富貴在天』それぞれの命は天         から与えられたものであり、また人間の富貴は天命によるものであ          るから、人の力ではどうにもできないという運命論。
        *余生観 命は自然に任せる。人口手段を用いない。老眼鏡も補聴器         も使わず老いをあるがままに受け入れる
        *長生観 西遊記にでてくるように長生不老
        *無性観 輪廻思想
        *永生観 キリスト教に準ず。死は終わりではなく新しい門戸を開く

滅多に聞けないトピックの講演でしたが 一つのことに焦点を当てることによって 全体像がもう一段階明るく見えてきそうになる。隣国であり、文化交流を通じて、多くをこの国から学んできた我が国でありますが 時の試練を経て 源流は多くの支流に影響を及ぼしつつも 異質な物になってしまっている事も否めない。

ここで講演される交換留学生は、優秀な人材で 詳細にわたる資料作成、プレゼンテーション力、そして豊富な日本語の語彙、表現力どれをとっても これから日中の架け橋となって活躍されるだろうと頼もしく思います。有難うございました。そして素晴らしい企画をしていただく報徳博物館にも感謝いたします。
   

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プルマンブレッドとコンフィチュール作りました。夜に、竹の子ご飯、新じゃがの煮物他