立ち止まって

時々立ち止まってじっと見ていたい光景に遭遇する。  これは鳥の好きなマッスル君が最近フラワーセンターで写したもの。  この画像を見て ふと不思議に思う。  梅に鶯とよく言われるが これはメジロでは?  春を告げる梅と、春を告げる鶯は マッチングとしては最高だけど・・・故事、鶯宿梅から梅に鶯のイメージが定着したというお話も・・・


鶯宿梅は文字通り、鶯の宿る梅。  村上天皇の頃、宮殿の梅が枯れてしまい、嘆かれた天皇が 代わりの梅を探させ ある屋敷に立派な梅ノ木があり 勅命で献上させたところ 持ち主の詩が 枝に結んであったという。  その詩とは 天皇の命令とあれば仕方がありませんが 鶯が私の宿はどこ?と、聞けば なんと答えればよいのでしょう?という意味合いのもの。  心優しい天皇は その木を返したというお話です。


もう一つの画像は 私が好きなスポットをパチリ!  夕方、辺りを、そろそろシルエットに変えてしまう時間帯。  箱根の連山がほんのりと紫色に染め上げられ 光の届かない部分が 明度だけのトーンになり 細部の入り組んだ複雑な物をすっぽり覆い隠す。  輪郭を大切にしたきり絵を見ているようだ。


シルエットとは フランス人の名前で 倹約政策として 高価なカラフルな色絵の具を使うより モノトーンを奨励した人のようだ。  カラフルな肖像画が流行していた時代に 色彩のない絵は影絵のように見えたのかもしれない。  輪郭線が物語るモノトーンでは 正面を向いたものより 横向きの肖像画が流行したのだろうか?  ふと、疑問が持ち上がった。  機会があれば注意して鑑賞してみよう。