近年、商業色に染まったオリンピック開会式が多い中、今バンクーバーオリンピックの開会式は魂を揺さぶる感動的なできばえであった。4部族と云われるカナダの先住民が大多数参加し、伝統的な歓迎の踊りで世界のアスリートをむかえた。彩りも鮮やかな伝統的衣装をまとい、踊る姿がIT技術を駆使して映し出された映像美と見事な調和を生み出していた。
デジタルなイメージは会場の中央で揺れ動くスクリーンや、広大なフロアー、5万人を超える観客席までを贅沢に使った圧倒的な映像美の世界を演出していた。先住民の群舞をアナログ的な美とすれば、IT技術による幻想的なイメージはデジタルな美!双方がが見事に調和し、会場に夢の世界と感動的な空間を生み出していた。
デジタルという近代文明と民族衣装をまとったエネルギッシュな先住民達の歓迎の舞が、人類の歴史を語っているようだ。平和への願いの斉唱から聖火の点火まで、3時間のページェントは動と静、伝統と先進文明の調和をかもしだし、人の想像力の無限さを感じさせる素晴らしいものであった。