肉筆浮世絵

寒くならない前に お墓参りに行きたいと夫。  小平霊園まで出向く。  墓地の門から お墓まで15分くらい歩く。 晩秋の穏やかな日、 霊園は落葉前の最期の輝き。  私は透かす光に、微妙な色合いを見せている紅葉が好きです。 広い墓地公園、 ちらほらお参りの人が見えている。 


お墓参りの後、 帰りの電車まで其々別行動、 夫は銀座のアップルストアーで パソコンの講座、 私は、ボストン美術館江戸の誘惑。(江戸東京博物館にて12月10日まで 


何年か前、ボストン美術館を訪れた時 日本の美術品や工芸品などの展示が 非常に多く、 特に刀の展示には 圧倒されるものがあった。  そのボストン美術館に 当時も今回展示されている80点を含め700点もの肉筆の浮世絵が 御蔵で眠っていたとは 驚きである。  ボストンでも展示された事がなく、 今回、日本で初展観


肉筆画は版画と違い 一点もの。  裕福な人からのオーダーで描かれたものであろう。  遊女の絵が多いが 当時は遊女はタレント的存在であり またファッションモデル的存在で 髪の結い方、着ているものを 女性達はお手本にしたようである。 音声ガイドは 柳家花緑の語り。  楽しく聴けたが もう少し深い説明もあればよかったかな。


この展覧会のため 3年かけての修復作業がなされ、 その過程で、はっとするような浮世絵師の技巧や筆致の奥義が見出されたと言う。  裏打ち布をはがすと 裏彩色により深みを加味したり、 立体感を出すなど独自の技法がこらされていたようだ。  


私は 北斎鍾馗図幟と同じく提灯絵、龍虎、龍蛇に特に魅せられた。  きれいだ、凄い! と思うのと 何となく惹かれる作品は 違うのだろう。 朱色天然痘をよけると好まれ 又鍾馗は 悪魔よけ、魔よけとして 端午の節句ののぼりとして使われたそうです。  何と豪放磊落なのぼりでしょう!