武士の一分

藤沢周平著「盲目剣谺返し」、山田洋二監督による映画化、「武士の一分」観てきました。


武士の一分とは 命を懸けて守るべき名誉や面目。  山田監督ご自身のタイトル命名。  中に“の”が つくことによって 耳に残る響きがあると監督は言われる。  そう言われれば 7人の侍他、アニメ映画タイトルにもありますね。〜の〜が。


木村拓哉演ずる主人公は下級武士、剣豪でもある。  役目で毒見した季節外れの貝にあたって失明したことから つましやかに幸せに暮らしていた夫婦が 波乱万丈な生活の波に飲み込まれていく。  夫婦の心の葛藤や絆が色濃く打ち出される情感溢れる作品である。


木村拓哉の目は輝いていて美しい。  その目の美しさを 逆に盲目と言う設定で 凝視した時の鋭さ 焦点の定まらないような動き等に 活かされている。  また 立ち振る舞いの姿も美しいと思ったら 剣道をたしなんでいたらしい。


登場人物も限られ、又設定も殆どが屋内ゆえ 登場人物の情動が決め手になる。  脇役の 中間,徳平を演ずる笹野高史の演技が光っていた。  桃井かおりの叔母役も適役。 所々 ユーモアもあり ぐっと引き寄せるような凝縮したストーリー展開に 余分な疑問点を抱く余裕はなかった。  


しかし、平日の昼間の映画館、 たった6人でした。  経営は大丈夫なのかなと心配してしまう。  シニア割引で 1000円だから もっと映画鑑賞を楽しまなくっては・・・