鍵

「でぇ〜てこい! でぇ〜てこい! 池の鯉〜」と、言う歌がありました。  でも、この日の私は 玄関の鍵を どうしても何処においたのか覚えておりません。  いよいよ、健忘症も本格的なのでしょうか・・・


私が先に大阪入りし 母の遺品の整理をし、夫が後から車で迎えがてらきて 帰り道をドライブしつつ楽しむつもりの帰阪。 夫と菩提寺のある滋賀県、ある都市で待ち合わせ お墓参りを済ませ 実家に戻ってきたまではいいのですが 姪の車を少し移動させないと2台駐車できません。(母と弟宅の2世帯住宅)  


姪の車の鍵が見当たりません。  道路に少しでも駐車すると 前の叔母さんがツカツカッと歩み寄ってきて 「困ります!」と、ちょっとお相手ごめんの雰囲気の方。  昨今、大きな家は分譲され 昔の好の方々はもう殆どおられません。  早く動かさないと めんどうだなぁ・・・! 留守中だけど2階にあがってみると ありました。  


無事駐車、その後、荷物の整理などに明け暮れ、イザ出かけようとしたとき、 開けて入った玄関の鍵をどこにおいたか・・・いつもの習慣で置く場所にも ポケットにも バッグの中にも無し。  でも、スペアーキーがあり不自由も無く、そのうちでてくるだろうと思いつつ3日経過。  


いよいよ、帰るにあたり本格的に探したのですが どうしてもでてこないのです。  多くの物品を障害者の方がされているリサイクル店に寄付したり、子供会用のリサイクル物資として ビニール袋に詰め、押入れ一杯、それに燃えるゴミ、燃せないゴミと今まで躊躇していた気持ちを振り切って 大胆に整理しました。  この中に鍵がうっかり紛れてしまったとも限りません。  


「家の中にあることは確かなんだから 心配しなくていいよ。」と、夫は言いますが 昨今、色々なことがおきていることを考えると 矢張り安心できません。  結局、心配するくらいならと 鍵を取り替えることに。  急にきてくれるところなんてあるかしら?  こんな時、何処の項目のタウンページを見ればいいのかな? 


それらしき所に夫が連絡を取ってくれました。  見事な感動的連携プレーで 近くにいた人を現場から送っていただき 無事新しい鍵がつきました。 早朝出発して京都による計画もキャンセルになりましたが自業自得です。  この年になると  習慣になっている事はまだしも とっさの行動には ひとつひとつの確認がいるんだと実感しました。