天平の甍

特にこの日を選んだ訳ではなかったのですが 唐招提寺を訪れた6月7日は 鑑真和上ご命日である6月6日を挟み 年に3日間だけ鑑真和上座像開扉される最終日でした。この巡り合った好機に 心から感謝しております。

行基座像の前から じっと動かずいつまでも手を合わせておられる女性の方がおられました鑑真和上像の前では 皆、跪いて頭を深くたれ 拝んでゆかれます。

通常は忘れている事柄でも 電光石火のように 心の引き出しが開く瞬間があります。昔、感銘を受けた井上靖著の天平の甍」の壮大なスケールと当時の遣唐使の熱意、使命感、幾多の困難を克服して 仏教を我が国に広めるために 高層鑑真和上が来日される物語が 思い出されました。

5度の失敗にもかかわらず、諦めることなく来日された鑑真は 既に66才の時で失明されていましたが、律宗の総本山としてこの唐招提寺を創建されました。何処か異国情緒を漂わせたこのお寺も 奈良を訪れる度に来たくなる寺院です。





薬師寺唐招提寺と同様、何度も来ていますが 今回は 特別公開中の 釈迦の生涯を表す壮大なレリーフ釈迦4相像をみることができ とても意義深い 一日でした。そして 沢山の品種の蓮の花が 雨にしっとりぬれて 厳かな世界への誘い役をしてくれました。

予定になかった西大寺に立ち寄ったり、あちこちでゆっくり見学していたら 国立博物館に飛び込んだのは 閉館まで1時間足らず、特別展は和紙でした。仏教美術のほうは 駆け足になりましたが 本日も、よく歩き 整理がつかないほど沢山鑑賞。

さて、翌日は もう一つのお楽しみが待っています!