[音楽] 悲愴第2楽章

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海老のミモザサラダ・久しぶりのコロッケ・ウドとアオサ、春のお吸い物

左肘の痛みが若干あるため、テンポの速い第1楽章や3楽章は 負担が大きいので、このところ、ゆったりとした2楽章を 好んで弾いています。

若い頃は、華やかさやドラマティックな展開などに 格好良さを感じていて この2楽章のとうとうと流れるメロディは さらっと習って通り過ぎていたようです。でも、弾けば弾くほど 学ぶ要素がいっぱい! 

ある番組をみて、この2楽章に深い思いを抱くようになりました。それは、認知症の医師、第一人者の長谷川和夫先生(番組当時90才)、ご自身の認知症を公表され、当事者として何かを伝えたいと 家族に支えられ講演活動を続けられている 日常生活のドキュメンタリーでした。

穏やかな進行のため 混乱されることもおありでしょうが 表情は穏やかで 奥様が弾かれる悲愴2楽章を ゆったり楽しんで聴いておられたのですが 途中、奥様がちょっと手が止まって「だめ、又練習しておきましょう」と、弾くのを止められたのです。

すると長谷川先生は 駄々っ子のように「良かったじゃないかぁ〜どうしてやめるの」と、本当に残念そうにおっしゃいました。

その時の会話の記事がありました。
(瑞子さん「全然だめ、だめだわ。どこを弾いているか分からなくなってだめでした。」
長谷川さん「いいよ、いいよ。今よかったじゃないの。」
瑞子さん「だめなの。少し練習しておきましょう。本当の『悲愴』になるんだから。」)

こうした心和む時を 沢山積んでいらっしゃったのだなと 感動しました。奥様の弾かれた2楽章は 重々しくなく、爽やかで 対話の様で 静かに光が見える気がしました。