[本] 夜更かし


全米図書賞を受賞したこの作品、コロナ禍のなか、動きがとれず絶望感が増大しつつある年、震災やオリンピックについても心を向けた描写、この時期に、はっとする本でした。
上野駅公園口でホームレスとして暮らしている 家族や家も失ったある一人の男性。孤絶し、行き場のないやるせなさを 一方的な描写でなく 苦を共に感じつつ掘り下げて描写。色彩のないやるせなさの中に 自然界の光、音、色の描写が対照的な対比。またあちこちに感じる著者の博識さにも感銘を受けました。
上野の美術館には何度も行ってますが 次回はまた違った感覚で訪れることになるでしょうか。以前のように、視線は一直線に美術館とはゆかない気がします。
日本の女流作家さん達が 海外で高く評価されるようになってきましたね。これからも楽しみです。