手紙

夏目漱石の短編を読みつつ*
週末になると台風の影響をうけますね。時折、雨が強くなりますが 今の所、この辺りは、大丈夫のようです。重なる台風で 増水、地盤のゆるみなど 被害が大きくならないことを願っています。
久しぶりにポーリッシュ法でパンを焼きました

過日読んだ 夏目漱石の短編小説「手紙」について関連したことを 書いておこうと思います。私的な備忘録です。冒頭、モーパッサンやプレヴーの両作品を取り上げています。 双方とも 引き出しの中に文書を見つける描写があり 世の中には似たようなことがあるものだと、ストーリーは展開していきます。

遠縁にあたる娘に 知り合いを世話をし、まとまりそうで なかなか具体的に話が進まないまま 男性はその地を離れて職に就く。年末には戻るといいつつも あまり音沙汰もなく 世話をした手前、案じてその男性を訪ねて行くと 引き出しの中に偶然手紙を見つけてしまう。道楽をしないという相手方の条件に叶うと思ったのだが どうやらそうでもないらしい。夏目漱石の軽妙なタッチの短編です・

その引き出しの中の手紙ですが、私の引き出しにも 長い間、時々、大丈夫あるかなと、確かめる手紙が入っていました。仕事で来日し、日本人男性と結婚し、当時6年生の女の子がいた友人から預かった手紙です。自分にもしものことがあれば読んでと、Only Sunflower can openと書かれていました。

その友人、初期の癌で手術も成功したのですが いろいろな苦労が重なり、精神的にもかなり辛かったようでした。ご主人ともうまくゆかず、結局母国に娘さんを連れて帰国したのですが この子が成人するまでは ガーディアンとして この手紙をどうしても持っていて欲しいという重いものでした。彼女の子を思う必死の願いから 断ることができず、それでもずっと気がかりだった手紙でした。

嬉しいことに そのお嬢さんも今は大学院生となり 立派な成人です。そして友人も自律して、元気にすごしていて 長い間、引き出しにしまっていた手紙を開封せずにお返しでき、ほっとしています。