花冷えの日に

図書館の返却期日が迫って読了
花冷えの雨、オーブン活用しつつ

石牟礼道子作、天湖ー仏送りの夜、東京に住む柾彦は 祖父の遺言で 骨灰を30年前湖底に沈んだ故郷、天底村にまいて欲しいとの頼みに 九州にやってくる。そこで出会った人々、そして数奇な体験・・・ 

読んでいると、まるで夢幻の世界に引き込まれたよう。また、能の舞台をみているかのような感じにもさせられる。何処か懐かしい面持ちにさせられるのは 私自身が体験した子供時代の 自然との共生や 人々のつながりに通じるところがあるからだろう。

所々に散りばめられた詩歌、短くもエッセンスの詰まった歌。創造力の含蓄に驚嘆させられる。石牟礼さんは言葉、方言を大切にされる。最初、自分の鼓動と方言の波長がぎくしゃくして 読みづらかったが 慣れるに従って 心地よく拍を刻んだ。その土地の言葉は、風土に根付いた文化であり 生活そのものだと思う。

山本周五郎の風雪、その中でも日本婦道記、つましやかで凛とした江戸時代の女性像、立場をわきまえた信念、日常のなかにあるさりげない思いやり、真の強さなど 凝縮した短い文中に見事におさめられている。同作者の、昔読んだ「さぶ」をもう一度読んでみたくなった。

この頃は 2つの理由で図書館活用。一つ、キープしたい本以外は増やさない。二つ、積ん読を回避するため、返却期日までに 努力して読了目標。

冷蔵庫の豆乳、チーズ、妹が持参したスモークサーモン、ブロッコリのキシュと トマト、瓶詰めのアスパラガス、タマネギのキシュ、寒いのでオーブン料理。久しぶりでおいしかった!こんな雨の冷たい日は お買い物行きたくありません。