感謝

9年前の凍えるような寒い時期、私達は、建て替えを決意した この家の上棟式のため、アメリカから一時帰国しました。初夏のころ、家も完成し、私達は5年余り住んだアメリカ生活に終止符を打ち、帰国いたしました。この家の建築にあたり 大変お世話になった方が逝去され 本日は、その方のご葬儀でした。

息子さんにほとんどの仕事を譲られていましたが 和室の天井の一部、網代編みを目の前で見せてくださったその巧みな技、若い頃は宮大工としてもお仕事されたと伺っているだけに見事です。

上画像が、手編み網代編みの天井。面積は少ないのですが これをみると温厚なお人柄の棟梁のこの家に注いでいただいた愛情が思い出されます。有難うございます。ご冥福を心からお祈りいたします。

当時、最初に、我が家の古い家を診ていただきました。随分昔の家でしたから 素材がまだ本物だったのでしょう。きれいに洗い、建て替える家に活用しましょうとアドバイスくださったのもこの方と 設計から完成まで担当していただいた息子さんです。

活用された古い家からの素材の一部です。我が家は、木の部分が多く、ホームステイなどの外国からの来客には珍しいようで 喜んでいただけるようです。

左上はガラスがレトロだからと 古い窓ガラスからの再生。右上は 玄関の下駄箱。古い釘坑を竹で隠してあるところがいいですね。左下は玄関の物入れですが 床の間の天井に使ってあった杉だったかな?柾目がまっすぐできれいです。右下は これはゲストルームの天井ですが 外国からの泊まり客が比較的多いのと 矢張り古い釘坑を隠す目的もふくめて格天になっています。柾目のきれいな檜です。

もうご高齢にはなられていましたが この家には お元気でご活躍の頃のお姿が残されています。今もって 色々な事でお世話になり、親しくしていただいております息子さん、マッスル君も大ファンで時々お話相手にきていただいておりますので 又思い出話をさせていただきますね。安らかにお休みください。合掌。