ポーラ美術館

ポーラ美術館、何度か訪れているが その度に何故か懐かしい気持ちにさせられる。きっと自然との共存というコンセプトで建てられた環境、そして建築様式が いつも優しく迎えてくれる。大きく聳え立つ立派な美術館にありがちな威圧感がない。

自然の移ろいゆく陽光があたりまえのようにガラスを通してゆらめき、そよぐ風も、木々の緑も・・・自分、即ち然の一が、ヒメシャラやブナの木が群生する中に すっぽりと治まっている気がしてしまう。 そんな館で 時空を越えた巨匠の作品を身近に 近づいたり ちょっと後ろに下がって遠めに見たりとゆっくり楽しめる贅沢は 地方の美術館の醍醐味である。 都会では 概ね混んでいて 小柄な私は 後ろに下がって全体像を楽しみたいと思っても見えない。

私たちは 常設展示に時間をかけすぎて(それだけ堪能したのですが)肝心の特設、肖像の100年ルノワールモディリアーニピカソまでくると 少々集中力が・・・それでも、中央の椅子に坐って ぐるりと坐りながら位置を変えて鑑賞。

その昔、写真がまだお目見えしない頃は 権力者達は自分達の肖像画を描かせたと聞いています。 その後は写真技術が発達しても あるステータスとして 著名な画家を雇って肖像画を描かせましたし 画家達は 内面の表現や自分達の価値観を多様な筆致や構図で表現するようになったのでしょう。

ルノワールモディリアーニはその画風からすぐ察知できますが 初期の頃のピカソ肖像画には マッスル君も私も新鮮な驚きがありました。青の時代、キュービズムなどピカソの画法の変遷、興味深かったです。ヨーロッパでピカソ美術館など行っているのになぁ〜!違う視点で鑑賞していたのでしょうかね。その時の状態によって 同じ絵を見ても感じることが違ってきます。 いやぁ〜ただボォ〜ッとしていたのかもしれませんが・・・

常設展の東洋陶磁は 太古の陶器ながらその色彩の鮮やかさ、形の美しさに驚嘆しました。 沢山の作品をゆっくり心ゆくまで堪能しました。 9月6日までの展示ですが、機会があれば季節の良い時期にお出かけになると良いと思います。 このブログちょっと日程がずれています。