万能細胞

今から10年以上前 nature誌が羊を使ったクローニングの成果を突如発表。 世界中をあっと驚かせたと同時に 踏み込んではならない領域に足を入れてしまっただの(play God)、いや、これは人類を救う画期的な研究だの話題沸騰し heated debateが あちこちで行われた。


他の事で資料の整理をしていたら アメリカの地域のスピーチで cloning についてスピーチした時のOHP用の資料がでてきた。(画像)  画像作成に当たっては マッスル君が手伝ってくれたのでばっちり。  その時のbest speakerに選ばれたのも この資料がよかったからだろう。  ブログに記録として残しておこう。
  

このクローニングに関連して、 京都大学山中伸弥教授が世界で初めて、人の皮膚の細胞から人体のいかなる細胞(万能細胞)をも蘇生する事に成功した。 2007年7月のことである。 これは難病患者を救うことが出来、医学に革新的な進歩をもたらす可能性があるという。  


ところが、アメリカのグループは山中教授の研究成果をネズミを使い、いち早く細胞形成の実験に成功したことを12月7日のNHKニュース(夜7時)が報じた。  山中教授はアメリカの取組の速さと成果に驚き、速急にチームを作り、実用化の実験を進めることを日本政府に訴えた。 


フラット化する地球では、技術の伝播は恐ろしい速さで伝わる事実を物語る事例である。 日本の対応が遅れれば、日本発の技術が外国に持ってゆかれてしまう危機でもある。


先日のブログにも記したが 日本発の創造的な技術や文化が巧みなアメリカの市場化によって、利益の独り占めにされる例が近年目だつ。 例えば日本のゲームやアニメは世界に誇る文化と言えるまでに進化を遂げ、他国の追従を許さない。


しかし、アイディアや開発の秀逸性とはうらはらに、その原石を地球市場で展開し、収益に結びつける総合的な発想、マーケティング、経営手腕が無い。 


少子高齢化が避けられない日本の繁栄を維持するには、物の生産に頼ることは難しい。  頭脳を使った知的生産物に期待が寄せられる。  


そうは言っても、 難病を抱えている人々にとっては 何処の国が実用化しようと その早急な取り組みが望まれるのは否めない。