からたちの小径

  
画像・原田泰治・日本の歌百選(ゆりかごの歌)より

北原白秋と言えば 数々の童謡が思い出される。  その半数以上の名作が小田原在住時代の作品。  小田原市「郷土の白秋」を文化的資産として 大切にする動きが活発になってきた。  


20年来、白秋研究を熱心にされている竹村忠孝氏の功労により「からたちの花」が詠まれた小径が判明。 小田原市の方でも整備舗装し 先月のツーデイマーチでも 白秋ゆかりの地を歩くコースに取り入れられている。


その「小径記念音楽会」が昨日開催され 手作りの温かい清らかな音楽会を楽しませていただいた。  知人のYさんも美しい声で出演。  また、数々の名曲を作られた亡き中田喜直先生の奥様もこられていて 曲つくりのエピソードなどお話くださった。  


童謡は 母が最期の酸素マスクの中でも 声にはならないけれど 口をかすかに動かし 歌っていたほど好きだった。  永久の眠りにつき 旅立ちの館に身を横たえる時 母の大好きだった 「ゆりかごのうた」を 参列してくださった方と共に歌って母を見送った。


その「ゆりかごのうた」を 会場全体で一緒に歌えるなんて・・・!きっとは母は喜んでみていたことだろう。  しかも、 「ゆりかごの歌」を何故かプログラムの最後に もう一度皆で歌いましょうと 2度も、会場が一つになって歌っていただき 偶然とは言え、温かいご縁に感謝している。


老朽化した市民会館小ホールで開催されたが この白秋作詞の童謡の音楽会には 何故かしみじみとした温かさや 歳月を経ても 尚、人々に喜びを与えると言う共通点ががあり ピカピカの近代的なホールよりも 相応しいしっとりとした優しさがあるような気がした。  企画された人々、歌や演奏をご披露くださったプロの方達の真摯な想いが会場全体と一体化する素晴らしい音楽会でした。