バンクーバー滞在記終章

When you are in Rome, do as Romans do. 「郷に入っては郷に従え」とはよく聞く諺です。 塩野七生さんの 「ローマ人の物語」を読むと ローマ帝国の長期にわたる繁栄は 征服した後でも 他民族の叡智や その民族独自の卓越した技術を存続出来るような社会環境を提供し続けてきたことも 一つの要因であるとしています。  そうであれば、この諺はいつ頃から云われたのでしょうね? 


アメリが melting pot (人種の坩堝)或いは mixed salad bowl と言われたりするのに対して カナダは モザイクと表現されているようです。 つまり、個々の人種の特色がしっかりしていて しかも、整然と秩序が保たれているということでしょうか。  余りマイノリティという言葉もここでは聞かないような気がします。  


それぞれの人種が 堂々と生活しているように見受けられるのは アメリカ南部で5年余り生活していた経験があるから 余計感じられるのかもしれません。  多国籍の集合体が 効果的に機能して行くには よほどしっかりとした核となる物があるのだと思うのですが 今の所、不勉強でわかりません。  ただ、近頃のカナダ経済の強さには 驚くべき物があります。


ついにカナダドルの価値が 米ドルより高くなりました。  5年ほど前は 米1ドルがカナダドルの65セント は 米1ドルは カナダドル1ドル25セント。 米ドルを基軸に考えれば 物価は 5年前の約2倍になった感じがします。日本円でも同じです。為替差益(為替差損というべきかも)で考えると 買い物は控えてしまいます。  


アメリカの消費経済や物質的な欲望には 余り好感を持っていないカナダ人ですが 漏れ聞く話によると 近頃はカナダドルの強さをいいことに アメリカ本土への買い物客で 国境が4〜5時間待ちの混雑という状況も少なくないそうです。  矢張り安く買えるとなるとね。  


ちまたの噂では バブルがはじける時期もそう遠くではないかもとのこと。  体験している日本人としては 今の状況、何か変です。


高級アパートや高級自動車の買い手は中国人が多いとのこと。  かってはバンクーバーは 香(ほん)クーバーといわれていましたが 今は中国本土からの移住者も多く チャンクーバーともよばれるとか。  30万人余りの中国人が住んでいます。


その昔、カナダ大陸横断鉄道工事には 多くの中国人が貢献し その余りの過酷な工事に沢山の犠牲者もでたそうですが この貢献の見返りとして 居住権を得るようになったと聞いています。  中国人が多いお陰で 美味しい中華料理も食べられ 食事に関しても 住みやすい都市です。


まだまだ書きたいことはありますが 後日、何かの機会に少しずつ取り入れていきたいと思います。  帰国も間近で 慌ただしくなってきましたので バンクーバーからの更新は 本日でひとまず終わりにしたいと思います。  メールで感想をいただいた皆様、 励みになりました。  有り難うございました。  しばらく戻りましても雑事に追われると思いますので 更新は少し先になると思います。  又、折を見てお訪ね下さいね。