美術館と劇場 

朝食後、新しくなったニューヨーク近代美術館へ行った。  入場料16ドルから一気に20ドルとはねあがり 物議を醸し出していたというわりには 早朝から長蛇の列。  オーディオの解説テープが無料で借りれるので(通常は5ドル)この入館料は妥当だと思う。 


増築や展示スペースの増加に伴い複雑化した美術館のたてなおしをめざし 国際建築コンペを行い選ばれたのが日本の谷口吉生。 日本人として嬉しいことである。  これまでの歴史、文化や社会的な要素を大切にしながらも 大胆に新しい美術館として変貌させた点が評価されたと説明にあった。


街の真ん中にある立地条件を考慮に入れ 窓から洗練された高層ビルや街路樹が視野にはいるように設計され いかにも近代美術館という空気が漂う。 


ルーブル美術館に行ったときも同じような光景を目にしたが 今回も美術の先生に引率された生徒達が 座って色々な意見を交わしていた。  先生は解説をするというよりは 生徒達が先ずその絵に親しみ 絵にとけ込むような雰囲気作りをされていた。  徐々に色は何色? その曲線はどんな形で何をあらわしているのだろうか?等、生徒達に自由に語らせつつも 軌道誘導されていた。  


このジャクソンポーラックについては 映画を見たことがあるので どのような説明をされるのかとても興味があった。  一流の作品を目の前にしながら このような楽しい授業がうけられるなんて羨ましい限りである。  時間が許すときには ガイドさんについて解説を聞くこともあるが 豊富な説明で返って何も覚えていないことが多い。  学ぶと云うより楽しみつつがいいな!



しっかりと朝食を食べたので お昼はニューヨークに来ると必ず行くベーグル屋さんへ。  エッサベーグルでは ベーグルの種類も豊富で 最初はどのようにオーダーしていいのか戸惑った。  いつもはクルミとレーズンのクリームチーズを挟んでもらうのだが 本日は昼食なので ノヴァスコーシャというサンドイッチにした。 半分はもち帰るほどのボリューム。  美味!


時間をみると急げばマティネ(昼の公演)に間に合う。  ただし、ライオンキングは人気なのでチケットがあるかどうか?  開演5分前かけつけると 運良く空席があった。  2年前は予約も難しかったが 長期公演なのでチケットも手に入りやすかったのだろう。  本当は Ring of Fireをみたかったのだが 人気がなかったのかもう公演されていなかった。

ブロードウエイは 歌、踊り舞台効果など様々な楽しみ方がある。 ライオンキングに関しては 私はその舞台効果や衣装、影絵の要素、狭い舞台ながらも広大なアフリカのイメージの広がりを色彩と音楽で表現など 非常にクリエイティブな点に感動した。  また、観客のイメージが胸の中にふくらんでいくようなフォーカス。 ストーリーもシンプルながら 環境、宇宙、自己の内的成長、思いやり、共存などわかりやすくまとめられていて 夫も私も非常に感動し、又楽しめた。  


必ずしも最高の設備ではない古い劇場だが 演出によっては その小さな劇場が 逆に観客に親近感をいだかせる。  それにしても 大きな舞台装置はどこからいれるのだろう?っと 気になった。