加茂春丸

1961年8人の留学生たちを乗せた 加茂春丸が 横浜港を出港。  当時、 航空券はとてつもなく高い! 留学生の多くは 貨物船に8人くらいなら 乗船できるスペースがあったので それを利用したそうである。  それでも、その船も当時12万円ちかくしたそうなので 如何に海外に行く事が大変だったか 例え行ったとしても かなりの覚悟を決めて出かけた気迫が 思い出話から感じられた。


夫もその8人の中の一人。  本日は そのうちの5名(二人は連絡とれず、一人は昨年、残念ながら逝去された)が 其々の連れ合い同伴で 出港した横浜港の見える インターコンチネンタルホテルの31階、レストランに集った。  察するに約半世紀ぶりに再会する人もいて 当時の思い出と共に万感の想いだった事だろう。  


最初の港、 バンクーバーまでの11日間、 とにかく太平洋の荒波を 客船ではなく小さな貨物船で航海するのだから 船酔いはひどいものらしかった。  そんな中、夫一人が船酔いを味わうことなく 当時の食糧事情からは 想像も出来なかったような豪華な食事を 船長さんと同席で 全て楽しんだと言うエピソードを聞いた。  


現在ある健康も その時の栄養に支えられていると 夫は冗談を言う。  何しろ、他の人は船酔いで、食事の時間にも姿を現さないので その人たちの分も平らげたようだ。  食事中は 一時的に 船の位置を波に直角になるようにし 揺れを軽減するそうだ。  おまけに 海の生物、鯨、海がめなども存分に見ることが出来たと いまさらのように感激していた。


一人の方が 当時の船のパンフレットをきちんと とっておかれたので 私も雰囲気を味わう事が出来た。  カナダやアメリカと其々の留学先に別れ、 互いの忙しさに連絡もいつしかとだえていたが お世話くださる方があって 本日の感激のリユニオンに至った。  


其々が学んだ事を活かして アクティブな活動期を終え ようやく 過去をいつくしむゆとりがもてたのだろう。  元気で集える事に感謝し 次なる楽しい企画も色々口々に。  末永くこの出会いが楽しめますように!