近頃の日本では所得格差の問題が 政治世界の論争にまでなって、与党もたじたじの攻撃を受けている。 しかし、日本は格差の少ない国だという専門家もいます。
格差が異常なレベルまで広がりつつあるアメリカで、最近話題となっている事件に触れてみます。 iPodは、一時代前のウオークマンのように、今や若者の必需品と言っていいほど普及した デジタル音楽再生装置です。 (おばちゃんの私も2機目愛用です) これを創りだしたアップルコンピュータ社は パソコン戦争でマイクロソフトに敗れ、低迷。 しかし、iPodの成功で会社の株価はビュ〜ンと100倍に! 一躍、アメリカでも最も成功した会社となり、大メーカーの仲間入りです。
その主だった指導者がスティーブ・ジョブスという人です。 まさに、この人が、今、不正報酬の嫌疑を受けています。 アメリカでは一般的に行われる ストックオプションという報償にかかわるものです。 会社の株式を与えられたときの時価で、後日、売却できるという方法です。
ジョブス氏もある時1000万株(ウワァ〜ォ!)のストックオプションを受けました。 実際に貰った日を記載するのが規則ですが、遡って株価が低かった(約2割安)日を受領日として 虚偽に記載したというのです。
例えば1000万株だと 1ドル安で、1億ドル(10億円)という膨大な利益になります。(こんな計算しても ピンとこないほどの巨額) 億万長者がここまでするぅ〜!? あ〜ぁ、2005年スタンフォード大学卒業式ゲストスピーカーのジョブス氏、スピーチをサイトで読んで感激していた人なのになぁ〜!
これは犯罪行為であり、裁かれればジョブスは当然辞任することになるでしょう。 巷の噂では、捜査当局は 起訴は出来ないだろうというのです。 何故なら ジョブスの卓越した経営手腕無き後は、アップルは衰退の道をたどり 株価も下落するだろうと懸念する株主達や社内の経営陣の猛反対のためです。 一人のIT天才による企業の発展繁栄の方が 社会正義よりも重要視されるのでしょうかね?
アメリカでは正義や道義より 社会利益が優先することがあります。 すぐ思い当たるのは、クリントン大統領の女性問題スキャンダルとか、黒人の間で偶像視されていたフットボール選手(OJシンプソン)による 奥さんの殺人事件など、当事者は何の制裁も受けませんでした。 社会全体の利益を考えたとき、正義が埋没させられる社会の一面が見られるようです。 これで良いのか?と腑に落ちません。
画像は世の醜悪な事態にもかかわらず 等しく美しい花を咲かせ 先駆けて希望の春をみせてくれている 熱海の紅梅です。