Miho Museum

1997年、11月、 琵琶湖南の山中に誕生したこの美術館。  不思議な事にその美術館のことを知ったのは アメリカに滞在中、 建築に深い関心を寄せるあるアメリカ人から。  その後帰国し、 妹が外国からの来客を何度もご案内したというので ずっと心の中で行きたいと思っていたところです。  ぐるぐる山道を進みつつ こんな所に本当にあるの?っと思いたくなるようなロケーションなので 十分な時間とアッシー父ちゃんという条件が不可欠なのです。  やっと、そのチャンスに恵まれました。  


尾根と尾根をトンネルと橋で連結し、 大自然の景観を壊さないように、深き樹影の斜面に 建物の80%を地下に埋没させることによって 周りとの調和を保っているようです。  建築設計は ルーブル美術館の硝子のピラミッド他数々のギャラリー建築を手がけ 世界的にも著名な I.M.ペイによるものです。  雰囲気的には 熱海のモア美術館とちょっと似たところがあります。


ひとたび建物の中に入ると コンテンポラリーな雰囲気。 幾何学的な硝子に覆われた館は 床面に光と影を織り成している。  開放感溢れるパノラミックな眺望は 硝子を突き破り まるで大自然に抱かれているような錯覚にさえ陥る。


美術館の建築を見たいというほかに 開催中の 秋季特別展 [青山二郎の眼」にも とても興味があった。 骨董については 殆ど知識もない私だが 白洲正子小林秀雄などが師とした人。 旧白洲邸武相荘を見学してから特に気になっていた。  


「骨董はただ観るのではなく 日常使ってこそ意味がある」と、言われるとおり ほっとする温かみのある展示が揃っていた。  もう少し知識があればなぁ〜っと思うが 青山氏は じっと眺めて、眺めつくしているうちにその本質が見えてくるといわれる。  沢山いい物を見て 本物を見抜く感性を養う事が要されるのだろう。


赤絵のお皿が 余りにも素晴らしい発色を残しているので じっと見ていると どこかのおじさんが 「これは 鉄を擦って 擦って出す色合いなんだ。  昔は、中国の盲目のおばあさんが路上で一生懸命擦っていたらしいよ。  擦れば擦るほど いい色がでるんだよ」っと 教えてくださった。  その他色々。  未知の世界に どぼっと入り込んだような感覚でした。  図録など、本を数冊購入。  秋の夜長に 数少ない手持ちの手ごろな骨董で お茶を飲みながら 読んでみましょう。

 これは 西明寺の庭の画像です。  光と影が綺麗でした。  湖東三山のお寺は 何処も素晴らしい庭園があり 紅葉も今頃は見頃のはず。  是非、足を延ばしてみてください。  (美術館建物画像は 美保ミュージアムのサイトから 事後報告で申し訳ありません。より多くの皆様がこの素晴らしい美術館を訪問されるよう願っています。)