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友人宅での サロンコンサート。  毎回、趣向を凝らした催しで 楽しみである。  今回は 以前、オーボエとの競演をされた ピアニスト 矢澤一彦氏のソロ。 9月、東京でのリサイタルに さきがけ 同じプログラムで 演奏してくださると言う。  ヨーロッパで10年近く 活躍され 昨年、帰国されたばかり。ベルギー王立音楽院を 満場一致の 優秀な成績で卒業され 数々の賞も受賞されている。 恩師からは [歌う指]と 評され 高い信頼を 得ている。


友人も ピアノ教師。  第一線で 活躍すると言うよりは 地域の音楽活動に 貢献され 今回のような もう既に活躍されている 音楽家以外にも 若いこれからの 演奏者に 場を提供して コンサートの 経験をつむ お手伝いもされている。  20人〜25人くらいの 聴衆が入るお部屋。  本当に アットホームな 雰囲気で まじかにて 生演奏を聴けるし 表情も 「歌う指」の動きも 見ることが出来 何と恵まれていることでしょう! それに、 曲の解説まで 演奏者から聞けるのですから…


今回は 夏の日曜の午後に 聴くには 大曲。  チャイコフスキー、スクリャァービン、ショスタコーヴィッチ、プロコイエフ等の ロシアのピアノ曲。 矢澤氏の 下記の引用からも お分かりいただけると 思いますが ひとたび 鍵盤に手が置かれると もうその音楽の世界に 引き込まれてしまいます。 力強い曲も 繊細な曲も 訴えるものがあります。


それは 演奏者ご自身が その世界に 無の境地で 入り込まれているからでしょう。  手馴れて 流すような弾き方は どこにもありません。  一音一音 大切に。  なぜか この前の高校野球の ピッチャーと 重ね合わせて 聴いている自分がいました。 真剣さ、希望、情熱が 身体で表現されて いるからでしょうか。  アンコールの わかりやすい トロイメライの曲まで その態度は 変わりませんでした。


途中で 薫り高いお紅茶とお菓子が でました。  今日は 焼き菓子の変わりに 爽やかな 梅酒と梅の実の入ったゼリーが 用意されていました。  お菓子を焼いてくださるのは 近所の 子供たちも通った幼稚園の 元園長先生。  いつもは 演奏後に お茶なのですが… 「素敵な演奏の余韻が 覚めやらぬうちに お帰りになった方がいいですから」 との 心憎い配慮でした。  右画像は 東京オペラシティ リサイタルホールでの リサイタルパンフレット 9月13日 18時30分       
 
(矢澤 一彦氏の ページから引用)
私は演奏でまず大事なのは、その弾く曲のイメージを 持つことだと思います。そのイメージを 音として表現できるよう、よく聴きながら 情熱を持ってさらうことで、テクニックがついてきます。 こうしてできた演奏は、ただきれいな音で しっかりと形作られた演奏と 全く違って、聴いていて その音楽の世界に 吸い込まれてしまいます。これは習いたての 小さな子供のピアノからも 違いを聴き取る事ができます。
 
イメージがあるからこそできる 生き生きとした演奏、弾いていて この音楽の本質に 少しでも触れたら、もうピアノが やめられなくなるのでは ないでしょうか。 逆に手段であるテクニックの習得が 目的となると、結果的に音楽から 離れていったり、違ったふうに 音楽を 捉えてしまう気がします。…
 以下省力