古代豆

      

お向かいの方から 珍しい野菜の苗をいただいた。  古代豆と いうらしい。  その苗は お話にあるように まさに ジャックと豆の木。 あれよ、あれよと言っているうちに ぐんぐん生長。  天まで届いて やがては 金の卵を産むニワトリでも 我が家にもたらさんかのような勢い。  可愛いピンクと赤紫のツートン、蝶のような形の 豆の花が次々咲き やがて写真のような 濃い紫色の鞘をつける。  一体、そのぷっくりした鞘を脱ぐと 何色のお豆なんだろう? わくわく!  

なぁ〜んだ! 普通のグリーンピースじゃないの!


「そろそろ収穫しても いいですなぁ〜」 垣根越しに 生長をチェックしてくださっていた お向かいさん。 「まめご飯にして御覧なさい」 アドバイスどおり 炊いてみると うっすらピンク色のごはんが 炊けました。  その美味しい事!  グリーンの一粒一粒に その鞘の色をしっかり内包して 秘めたる色香を 最高の舞台で放つ そんな自信に溢れているような気がしました。 


そもそも古代豆は ツタンカーメンのミイラ発掘の折 その衣服についていた一粒の豆の種を 栽培した所 芽がでて 今や、世界各国で 栽培されているとのこと。  4千年余り前の種子が 命を吹き返して その末裔を食す我々。  何ともスケールの大きいお話に 命、紡がれる事の感動が この時期 一際深く 胸に宿ります。


それにしても ジャックと豆の木のお話 何となくすっきりしません。  天まで昇って 大男の 金貨や鶏、もう一つはハープでしたっけ?を 持ってくるなんて 泥棒同然ではありませんか?