アーミッシュ

        


先日、アメリカにいる息子夫妻から 久しぶりの手紙と共に セミナーに参加した帰りに訪れた アーミッシュの村で求めたと言う キルトが送られてきた。 この頃は、Eメールばかりで 手紙を受け取る事が少なくなった。  旅先で 我々の事を思い出してくれた事が ことさら嬉しい。


アーミッシュの生活と言えば 一昔前になるが 「刑事ジョン,ブック―目撃者」で その暮らしぶりが 紹介されていた。  大変お世話になった方が オハイオ州に住んでおられ 滞米中 何度か訪ねて行った。 そこはオハイオ州でも アーミッシュの人たちが多く住んでいる町で その暮らしぶりを まるで映画でもみているように 日々触れる事ができ 今にして思えば 貴重な体験である。


彼らの生活は 現代の文明の利器を 生活に取り入れることを拒否し 電気も活用していないのでテレビ、ラジオもない。  勿論、車の運転も許されていないので ホースandバギーといわれる馬車が のったり、のったり 道を行く。 この町では 矢張りこの馬車が優先で 車に乗っていた我々は 通り過ぎるまで待つ。  アーミッシュの人の家は 大体ドレープ状の白いカーテンが 何処も同じようにかけられていて 外から見てもすぐわかる。 それと、通常のアメリカ人は 洗濯物は外に干さないが 電気を使わないアーミッシュの家では長いロープに 洗濯物がひ〜らひら。 それもカラフルなものは何もない。 モノトーンで白さが際立つ。 生活の糧は 手工芸、 手作りのケーキやパン、 農作物の販売。  それに酪農業など。  チーズ工場は衛生上の理由から 電気を使うようになったということである。 観光客用のアーミッシュレストランもあり、 まさにホームメードの味。  ボリュームたっぷり。  キャラウエイシードの入った黒パンは 私のお気に入り。 お料理の本も買ってきたが 写真を撮ることも許されていないのか 当地のレシピーブックは 食欲をそそるような写真はついていない。


文明の最先端を行くようなアメリカ社会で 近代文明以前の生活様式を保持するのは さぞ困難なことだろうと思うのだが それはこちら側の勝手な解釈かもしれない。  各家庭、平均して5〜6人の子供がいて、おじいちゃんおばあちゃんもすぐ近く。  テレビなどない彼らの生活は 車は運転するのは禁じられているが 乗せて貰うのはOKらしく 夜になると、こぞってコミュニティでのイベントに いそいそと、楽しそうに出かけていく。 自分達が栽培した野菜や手作りの食品から作られる温かい家庭料理があり、 互いに助け合い、 深い信仰心をもつアーミッシュの人口が 段々増えているのも 少子化問題を抱えている我々には 何となくわかる気がする。


でも、少し気になるのは、 ルース叔母さんの言ったこと;  「彼らの電話は アーミッシュでない人の家の納戸に おかせてもらって、 時々かけているみたいよ。  それに、誰かがナイアガラの滝に行ったと言えば 次の日に必ず 誰か叉行くのよ」